界面活性剤って何?

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洗濯や台所で使う洗剤などの成分として知られる「界面活性剤」。その言葉自体は目や耳にすることはあっても、どんなものかを詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。

界面活性剤は洗剤だけでなく、食品から生活用品まで幅広く使われていて、実は私たちの生活には欠かせない存在。界面活性剤のおかげで便利に暮らしていけることがたくさんあります。

そこで、今回は「そもそも界面活性剤とは何なのか」「どんな働きをしているのか」について学んでみましょう。

食器洗い

界面活性剤とは?

界面活性剤とは、物質の界面に働きかけて、本来なじまないもの同士をなじませる物質の総称です。その種類は非常に多く、数千種類あると言われています。ちなみに案外知らない方も多いようですが、石けんも食品に使われる乳化剤も界面活性剤の一種です。

界面活性剤の「界面」とは、性質の異なる2つの物質の間の境目のことを指します。例えば、コップに水と油を入れると水と油の2層に分かれます。この境目が界面です。

水と油はいくらかき混ぜても、しばらくすると分離してしまいます。しかし、ここに洗剤をを入れてかき混ぜると、白くにごったようになって混ざり合って安定します。これは洗剤に含まれる界面活性剤の働きによるものです。

では、なぜ本来混ざり合わないものを混ぜ合わせることができるのでしょうか?それは界面活性剤のユニークな構造にあります。

界面活性剤は、1つの分子の中に水になじみやすい「親水基」と、油になじみやすい「親油基」の両方を併せ持っています。そのためコップに入れた水と油に界面活性剤を加えると、親水基部分は水に、親油基の部分は油につながり、混ざり合うことができるのです。

界面活性剤にはどんな働きがあるの?

水とも油とも仲良くできる界面活性剤は、その特性を活かした働きにより様々な分野で活躍しています。

本来混ざり合わないものを混ぜる(乳化)

先にもご紹介したように、本来混ざり合わない水と油に界面活性剤を加えると、白く濁ったようになって混ざり合います。この現象を「乳化」といいます。

洗剤は、この乳化の働きを活用して汚れを落としています。また、食品にも多用され、成分表示には「乳化剤」と表示されることが多いようです。

この乳化には2つのタイプがあり、一つは、水の中に油分が細かい粒子となって存在するO/Wタイプで、アイスクリームや生クリーム、マヨネーズなどに使われています。もう一つは、油の中に水分が細かい粒子となって存在するW/Oタイプで、バターやマーガリンなどに使われています。

物質の中に別の物質をしみこませる(浸透)

ウールなどの繊維を水につけても水となじまずに浮き上がってしまうことがあります。これは水と繊維の間に水の界面張力(表面張力)が働いているためです。

界面活性剤には、界面張力を下げる性質があるので、水に界面活性剤を入れると繊維と水がなじみやすくなり、繊維の中に水がしみこみやすくなります。この状態は洗濯にとっては良い状態で、その後の汚れ落としがスムーズになります。また、この働きは、柔軟剤や染料などを繊維に均一に浸透させることにも役立ちます。

水に浮いて溶けにくい物質を水中に分散させる

ススのような粉末を水に入れても混ざり合わず、表面に浮かんでしまいますが、ここに界面活性剤を加えると、界面活性剤の分子がススの粒子を取り囲み、水中に分散して均一に混ざり合って安定します。

界面活性剤の分散の働きは、インクや塗料などの商品に利用されています。またこの働きは、洗濯物から汚れを引き出すときにも役立ちます。

洗濯機

界面活性剤にはこのほかにも、泡立ちをよくする、汚れの再付着を防ぐ、静電気を防ぐ、防錆や殺菌などの働きもあり、洗剤から食品まで私たちの身の回りにある様々な商品に活用されています。

すこやかで美しい肌を保つための化粧品にも、界面活性剤がいろいろな形で活躍しています。乳液やクリームは水と油分を混ぜて乳化するために、化粧水には香料や油、薬品などを溶かしこむために、ファンデーション類には粉末を均一に分散させるために界面活性剤が使われています。化粧品が滑らかに肌の上で伸びるのも肌に浸透しやすいのも界面活性剤のおかげです。

ライスパワー化粧品

界面活性剤は肌や体に悪い?

暮らしの様々なシーンで多くの恩恵を受けている界面活性剤ですが、一方で肌や体への影響を心配する声もあります。

確かに洗浄効果の強い界面活性剤を含んだ洗剤や洗顔料を使うと、敏感肌や乾燥肌、肌が弱っているときには、肌に必要な皮脂やうるおい成分まで洗い流してしまう可能性があります。また、すすぎ不足などで肌に界面活性剤が残ったままだと、それが刺激となって肌トラブルを起こしてしまうこともあります。

ただし、いずれも界面活性剤の使用の有無に関係なく、使用量が多すぎたり、間違った使い方をすれば当然肌に負担をかけてしまいます。

現在は、各メーカーとも安全性の確認には特に慎重に対応した商品づくりを行っています。イメージだけで界面活性剤を否定するのではなく、その商品が自分の肌質や体に合っているかを確認し、使用量を守り、正しく使うことを心がけましょう。

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