熱中症に肌荒れ、様々なトラブルにつながる「かくれ脱水」に注意!

  • LINEで送る

夏に向けて熱中症になる人が増えてきます。また、最近は異常気象の影響で、すでに真夏並みの暑さになる日も増え、救急搬送されるニュースも目にします。

熱中症は体の脱水症状が進んだ状態で起こりますが、やっかいなのは、自分が脱水状態にあるかどうか気づきにくいことです。この「かくれ脱水」をしっかり理解し、早めに予防・対策することが、夏を元気に乗り切るカギとなります。

日差し

かくれ脱水とは?

「かくれ脱水」とは、脱水症の一歩手前の状態。はっきりした症状がなく、自分では気づかないけれど体内の水分が足りなくなっている状態です。そのまま気づかずに放っておくと、深刻な脱水症へと進み、熱中症にかかりやすくなります。

一般成人では1日で体から失われる水分量は、汗や尿、吐く息に含まれる水分も合わせると約2.5Lになると言われています。

そのため食事から得られる水分は別にして、1日に約1.5Lの水を飲むと良いとされています。特に暑い季節は、汗で失われる水分も増え、1日に摂取する水分量も増えます。この知らず知らずの水分不足がかくれ脱水につながります。

体内の水分が不足すると?

では、体内の水分が不足して脱水状態になるとどうなるのでしょうか?

体内の水分は、酸素や栄養分を細胞に届け、老廃物を尿として排出する、汗を出して体温調節する、筋肉や神経、骨などの機能を正常に保つなど、人が生きていく上で欠かせない重要な働きをしています。

そのためこの大切な水分が体から失われると、血液の量が減り、血圧が下がります。すると酸素や栄養分が届きにくくなり、老廃物も溜まって全身の機能が低下。食欲不振やだるさ、集中力や運動機能の低下を引き起こします。

また、脱水状態になると、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質も不足するため、筋肉や骨に影響を与え、脚のつりやしびれ、脱力などの症状も現れます。

体内の水分が2%失われると喉の乾きを感じて、運動能力が低下しはじめ、5%失われると熱中症や脱水症状に。10%失われると意識障害が起こり、20%失うと命に関わる危険な状態になる場合もあります。それほど水は体にとって必要不可欠なものなのです。

こうした脱水症状は、高齢者に起こりやすいと言われています。

水分は、筋肉に多く含まれるため、筋肉量の減る高齢者は体内の水分が不足しがちです。また、高齢者の場合、トイレの回数を抑えようとして水分を控えることが多く、これも脱水症状になりやすい原因の一つです。

筋肉量の点では、男性より女性の方が水分不足になりやすい傾向にありますが、年齢や性別に関係なく、夏バテや二日酔いの時には脱水症状を起こしやすくなります。きちんと体調を管理して、お酒の飲み過ぎには注意しましょう。

水

かくれ脱水症が熱中症のさまざまな症状を誘発

ここ数年深刻さを増している熱中症。熱中症とは、気温や湿度が高い環境に長くいることで体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節が働かなくなったりして起きる様々な症状の総称です。

具体的な症状としては、めまいや失神、筋肉痛やこむら返り、頭痛や吐き気、体のだるさなど。ひどくなると意識障害やけいれん、手足の運動障害、高体温などを引き起こします。

この熱中症を発生させる危険因子の一つが脱水症です。体は熱くなると体温を下げるために汗をかいて体温を調節しますが、体内の水不足から脱水症になると汗を出せなくなります。すると体温を下げることができずに熱中症を引き起こしてしまうのです。

ところで、熱中症といえば、真夏の炎天下に発生するイメージがありますが、実際には梅雨入り前の5月頃から発生し、梅雨明けの7月下旬から8月上旬に多くなる傾向があります。

雨の合間に突然気温が上がった日や、梅雨明け後に急に蒸し暑くなった日や暑くなり始めのころなど、体がまだ暑さに慣れていない時期に熱中症になりやすいので、徐々に体を暑さに慣れさせて行動するようにしましょう。

かくれ脱水が肌を乾燥させる!

かくれ脱水は肌にも影響を与えます。

先にもご紹介したように、体内の水分が不足すると全身を巡る血液の量が少なくなります。すると肌の細胞に運ばれる酸素や栄養分も足りなくなり、老廃物もたまりやすくなるため肌を乾燥させて肌荒れの原因になってしまうのです。

しっかり肌のお手入れをしているのに肌荒れが気になる方は、体内の水分が不足しているのかもしれません。

かくれ脱水を予防するには?

では、ここからはかくれ脱水を予防する方法についてご紹介しましょう。

■かくれ脱水チェック

まずは、自分がかくれ脱水かどうかチェックしてみましょう。

実はかくれ脱水のサインは、最初に肌や粘膜に現れると言います。そこで、手の甲の皮膚をつまみあげて、すぐに離してみてください。

つまんだ跡が3秒以上残ったら、かくれ脱水の可能性があります。肌の水分が不足して弾力性がなくなってきているということです。

■のどが渇く前に水を飲む

「のどが渇いたな」と感じたときには、すでに体内は水分不足の状態です。のどの乾きを感じる前に、意識してこまめに水分補給する必要があります。

寝起きや寝る前、スポーツの前後や入浴の前後、お酒を飲んだ後も、しっかり水を飲んでおきましょう。

また、高齢者になるとのどの渇きを感じにくくなるため、より積極的な水分補給を心がけてください。

ただし、一度に大量の水を飲むと胃液を薄めて消化を悪くしたり、体内のナトリウム量が減少して疲労感を引き起こしたりして体に負担をかけてしまいます。

1日6~8回に分けて飲み、1回の量はコップ1杯(200cc)程度。一気に飲まず、一口ずつゆっくり飲むようにしましょう。

水分補給には、塩分が一緒にとれる経口補水液やスポーツドリンクもおすすめです。

経口補水液を手作りする場合は、水1リットルに食塩3g、砂糖20gの割合が効果的です。この経口補水液を飲んでおいしいと感じる場合は、かくれ脱水の可能性があります。かくれ脱水かどうかのバロメーターにもなります。

■体に熱をためない

かくれ脱水にならないためには、水分補給で体内の水分不足を防ぐとともに、体温の上昇を抑え、体に熱をためないことも重要です。

暑い日や暑い時間帯の外出は控え、外出するときは、日傘や帽子、通気性のよい衣類を着用し、日陰を選んで歩き、体温を上げない工夫をしましょう。また、休憩する時には、衣類を脱ぐなどして熱を逃してあげましょう。

室内でも暑い日は我慢せず、クーラー、扇風機、遮光カーテンなどを賢く活用して涼しい環境で過ごしましょう。

水を飲む女性

脱水症や熱中症は、時に命に関わる危険性のある病気ですが、しっかり予防すれば発症を防ぐことができます。こまめな水分補給と体温調節で暑い夏に負けない体を作りましょう。

  • LINEで送る